気が向いたら何か書きます

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タミフルな話

なんとかはカゼをひかないの法則(?)にしたがって,もぅ何年もインフルエンザさんとは縁がないのですが(まぁないに越したことはないけど),最近話題のタミフルが中枢神経系に作用するって話が,よーわからんわとチョッと気になってみたので調べてみましたのん.
そもそもタミフルがどうして効くのかといいますと,細胞内で増殖したインフルエンザウィルスはやがて細胞膜に集まってきて細胞膜表面に付着した状態になり,最終的にはノイラミニダーゼ(neuraminidase)により細胞膜とくっついている部分を切り離して細胞外に広がっていくんだそうですが,オセルタミビル (Oseltamivir; タミフル=リン酸オセルタミビル) はこのノイラミニダーゼの作用を阻害してウィルスの拡散を抑制し,免疫系による抗体の生成や攻撃を効果的にしてくれるんだそうです.つまりウィルスの増殖そのものを阻止したり攻撃する訳ではないので,罹患初期に用いないと,もうウィルスが増殖しちゃってるので効果が薄いわけですね.てことで,そもそも免疫系がちゃんとしてないとダメってことでもあります.
で,蛇足なんですがオセルタミビルはシキミ酸を出発物質として半合成により作られていて,このシキミ酸はトウシキミの実から生産されてるんだそうです.そしてそのトウシキミの実を乾燥させたものが八角だったりするらしいんですが,もちろん八角を大量摂取してもインフルエンザには効果ありませんよ.あ,でも2006年に完全に化学合成する方法も報告されてるんだそうです.(蛇足ここまで)
じゃぁノイラミニダーゼの中枢神経系への作用ってどうなのよ? と思ってPubMedでゴニョゴニョしてみたんですが,コレといった論文は見つからなかったんですね.まぁ探し方が悪いだけなのかもしれませんケド.ちなみに岩波生物学辞典によりますと「・・・ウイルスや細菌に比べると動物のノイラミニダーゼは活性が弱い.しかし血漿,肝,神経の細胞膜などに見出されている.蛋白質などの構造変換に関係し,神経伝達ホルモン作用などの細胞間シグナルの伝達や受精などの細胞間認識に重要な機能をもつことが示唆されている.」なんだそうです.出たな糖鎖,じゃなくて,まぁよくわからんけど関係はあるみたいですね.と結局,別のよくわからないという結論になってしまった・・・
だったらヒトのノイラミニダーゼへの影響が無い阻害剤をつくれば良さそうな気もするわけですが,そうそう巧くはいかなかったり,仮にできたとしてもインフルエンザウィルスへの阻害作用も弱くなっちゃったりするかもしれませんねぇ.ってことでガンバレ!! > 製薬会社さん.